平谷こども発達クリニックの研究活動について
当クリニックは平成13年4月の開院以来、発達障害の臨床研究活動に力を入れてきました。個人クリニックに Research mind のあるスタッフを抱えることは不可能に近いことですが、Research mind のある人に興味を持っていただき、クリニックの豊富なデータを使っていただくことに努めてきました。当初は私自身がデータ整理や学会発表や誌上発表にも参加できましたが、9名の代診DR、6名の心理・言語のスーパバイザーを含めて70名近い職員の管理運営と毎日受診される子ども達の診療に時間をとられるようになり、不可能となってきました。しかし、連合大学院の院生数名がクリニックに常勤あるいは非常勤で勤務するようになったことや臨床研究をある程度理解できる力のある職員も育ち、クリニックのデータを使う目的でクリニックで非常勤を希望されるDRも来院されるようになり、ここ数年インパクトファクターのある英文論文もコンスタントに出るようになってきっました。臨床研究は、研究には縁がないと思ってきた心理・言語スタッフにエビデンスベースの療育を意識させる貴重な場を提供してくれます。
下記の機関と共同研究を行い、それぞれのテーマで完成した論文を同門会誌で紹介させていただいています。
共同研究
1:福井大学医学部:小児科・精神科・こどものこころの診療部
2:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的障害研究部部長 稲垣真澄先生
発達障害児を持つ家族の支援ニーズに基づいたレリジエンスの向上に関する研究(3年目)
3:東京福祉大学 松浦教授(福井大学こどものこころ診療部との連携)
NIRS・CANTAB を使ったADHDおよびMethylphenidateの奏功機序に関する研究
4:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所、児童・思春期精神保健研究部 石飛信DR・神尾陽子先生
自閉症スペクトラム障害の最適予後のための早期介入に関する研究
5:東京福祉大学 成本准教授とADHDの視空間認知に関する研究
6:大阪大学基礎工学部石黒教授の研究室と福井大学子どものこころの診療部熊崎DR(児童精神科医)とのロボットの療育参加に関する研究(1年前から進行中)。 |