発達障害について

自閉スペクトラム症(ASD:Autistic Spectrum Disorders)
自閉スペクトラム症とは対人関係が苦手、こだわりが強い(興味・関心が限定される、特定の行動を繰り返す)などの特徴がある発達障害です。
知的障害を伴う場合と伴わない場合があります。

「スペクトラム」とは境界が曖昧で連続しているという意味です。
ASDは元々は「自閉症」「アスペルガー症候群」などに分けられていましたが、共通の特性が見られることから、それぞれ独立したものではなく、連続しているものである、ということからスペクトラムと表記されています。

自閉スペクトラム症(ASD)の主な特徴
「空気が読めない人が多い」
「人の気持ちを読み取るのが苦手」
「ひとり遊びが多い」
「こだわりが強い」
「感覚刺激に対して過敏すぎたり鈍感すぎたりする」 など


注意欠如・多動症(ADHD:Attentiuon Deficit Hyperactivity Disoeder)
「じっとできない」「席についていられない」「乱暴」などの特性が取り上げられることが多いです。
確かにそれらもADHDの子に多い特性ではありますが、いっぽうで「ぼーっとしている」「集中できない」「忘れ物が多い」など、不注意から起こるトラブルを抱えることが多いのもADHDの特性です。
そして、「多動傾向」は幼児期や小学生くらいまでで治まってくることが多く、中学、高校、大学生になってくると「不注意」の課題の方が目立ってくるケースが増えてきます。

注意欠如/多動症(ADHD)の主な特徴
「忘れ物やミスが多い」
「片付けや掃除が苦手」
「ぼんやりしていることが多い」
「衝動的に行動することが多い」
「思いついたことを、そのまま話してしまう」など


発達性協調運動障害(DCD:Developmental Coordination Disorder)
手先の不器用さや運動技能の弱さなどが特徴とされる発達障害の一種です。

動きや手先の「不器用さ」や「運動技能のつたなさ」が「発達早期」から「極端」に現れる発達障害の一種です。
普通の不器用と運動おんちとの違いは「極端さ」と「日常生活に支障をきたしているか」という点です。

発達性協調運動障害の主な特徴
不器用さというのは
・ものをよく落とす
・人やものによくぶつかってしまう
・くつヒモやちょう結びができない
・箸やペンの持ち方が上達しない
・字を丁寧に書けないなどがあります。
・逆上がりや自転車、速く走る、周りと合わせるダンスや体操、スポーツでのチームプレイなどができない、もしくは難しい特徴が見られます。

自閉スペクトラム症やADHD(注意欠如多動性障害)、学習障害等の発達障害には、DCDを合併する方も多いです。
しかし、DCDはあまり注目されていないせいか、発達障害に見られる不器用を「努力すればできる」、と見なされ、自信を失ってしまう方は多いです。


学習障害(LD:Learnibg Disability)
学習障害とは、視力や聴覚に障害がなく、知的な遅れもないうえに、教育環境も整っており、本人が努力しているにも関わらず、文字や数の読み書きや操作(文章を書くなど)著しく苦手な状態です。

学習障害も、脳の働きの偏りが原因で、脳の中の「読み」「書く」「計算」に関わる領域の働きに偏りがあるために起こります。LDの中でも次の3つにタイプがわかれています。
ディスレクシア   読字障害:読むことに困難がある
ディスグラフィア  書字障害:書くことに困難がある
ディスカリキュリア 算数障害:計算することに困難がある

文部科学省の定義では「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得としように著しい困難を示す様々な状態」とされています。
発達性ディスレクシア(読み書き障害)
ディスレクシアは学習障害の一つのタイプとされ、全体的な発達の遅れはないが、文字の読み書きに限定的な困難があり、そのことにより学業不振が現れたり、二次的な学校不適応などが生じる疾患です。

当クリニックでは生まれつき読み書きの苦手な発達性ディスレクシア(読み書き障害)について研究しております。
2023年10月29日(日)に第6回ディスレクシアセミナーを開催します。

イベントに関しては ➡ ディスレクシアセミナー


現在平谷こども発達クリニックは福井大学工学部と連携して、 
読み書きの苦手なお子様たちのためのタッチタイピング練習支援アプリ(通称:高橋アプリ)の開発を行っています。  
⇧見本はこちらからどうぞ
(閲覧はパソコン推奨)  


興味を持たれた方は、福井大学工学部の高橋までメールでご連絡ください。
 yasutake@ir.his.u-fukui.ac.jp

ご連絡いただいた方には高橋から折り返し連絡をし、使い高をオンライン会議で説明させていただきます。
また、アプリの効果検証のため、検査データの提供をお願いしております。
 https://ir01.his.u-fukui.ac.jp/kbpractice/recruit/
こちらについてもオンライン会議などで説明させていただき、よろしければ検査データの提供、および、同意書の提出をお願いできればと思います。
これらはGoogle Formsを利用したオンライン形式で対応させて頂きますので、印刷や郵送等のお手間はかかりません。